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 本当は温室が欲しいのです。でも先立つものがなく、窓辺でつましく育てています。同じランの品種・個体でも育てる条件(季節ごとの気温、風、水、空中湿度など)により育て方も異なるでしょう。以下は私の栽培の仕方ですので、皆様にはオカシイと思われる点もままあるかも知れませんが、お許し下さい。

 <集めているラン>
 
主にカトレア類の点花系(原種、交配種問わず)と低温に割と強いオンシジューム類(旧オドントグロッサム系を含む原種、特に花弁が細くてカールするものに凝っています)の割合が多く、他に色、花の形で気に入った雑多なものを集めています(まあ安物ばかりです、最近は地生ランが気になっています)。
 

1.栽培条件

 
盛岡市と栃木を行ったり来たりの暮らしをしてきました。毎回引越にはラン優先でこれが家内の不満の種にもなりました。とにかく大切なランではありますが引越の際には余り手間もかけられないので、その都度株ごとに新聞紙でグルグルとくるみ(写真1)、車の後部座席にギュウギュウに横積みして運んでいました。置き場所は窓部ですが移った先の部屋の構造が違うためランには栽培条件に応じて適合してもらうしかありませんでした。

 植え込み材料は、ミズゴケ(ホームセンターで売っている低級品)単用、ミズゴケ+ヤシガラor杉皮(クリプトモス)の混用、素焼き鉢、オンシジューム系は3寸以下の鉢ではプラ鉢、駄温鉢も使用しています。葉っぱが落ちるなど生育がどうも思わしくないと感じたきは、鉢から抜き出し、根が腐ったり、伸びていないことが分かった場合は、水加減なども考慮して植え込み材料、鉢の種類を変えています。

 なお、植え替えの際、鉢は殆ど割って使い捨てしていますが、生育が思わしくない株の根は張りが悪く、鉢に余り強く付着していないので鉢は割らずに、また経費をかけない為にも再利用しています。再利用に先立ち汚れた鉢は600度位で焼き直ししています。うまくやれば見かけ上新品近くに再生できます(蘭屋さんでやってくれる所もありますね)。焼き直しは炭を使って七輪コンロでも可能です(ネットに方法が示されていますね)。ちょっと温度コントロールが難しく、特に素焼き鉢の場合、焼く温度が上がりすぎると本焼き状態になり素焼きでなくなります。しかし、慣れれば結構うまく再生できます。なお、ツマミやボタンで温度調整できる陶芸用の窯、マッフル炉などがあれば焼き直しは簡単にできますが、それを買うお金で素焼鉢が一杯買えますね。


1)温度と光
 
冬は、栃木ではアパート住まいのため室内温室(ガラス戸は撤去、殆ど3段の棚として利用)を2個南面の窓際に設置し、盛岡では西南面の窓辺の棚と室内温室(ガラス戸は撤去、2段の棚)を設置しそこで150鉢ほど育ててきました(写真2、3)。

 夏は、栃木では5月中旬から10月上旬まで、また盛岡では5月下旬から9月中旬まで、屋外(一部ベランダ)に蘭棚を作りそこに吊り下げてきました(写真4)。

 
冬シーズン中はランを室内に約8ヵ月置かなければなりません。この間、10月〜3月中旬は割と陽が射し込みますが、その後の屋外に出すまでの約2ヵ月間は徐々に太陽の位置が高くなり、太陽光がランに届かなくなります。室内温室の棚には奥行きが64cmで4号鉢では4列ぐらい並べられますが、後ろ2列は暗くなります。盛岡は太陽の位置が低く、窓側に庇もないため4月中旬辺りまでは比較的陽が部屋の中まで届き、光条件は良好です(といっても屋外の温室環境に比べれば雲泥の差で劣悪です)。

 
 写真1 新聞紙梱包状態のラン
 
写真2 室内の様子(栃木) 
 
 写真3 室内の様子(盛岡)
 
 
 写真4-1 屋外の様子(栃木)
 
 
 写真4-2 屋外の様子(盛岡)

 まあそれでもなんとか私の持っている範囲のランは生きています。冬に新芽が出るカトレア類の中には途中で黒く腐るものも出てきます(この芽は諦め春に再度出てくるのに期待、当然生育が遅れ、悔しい思いを何度もしてきました)。

 
冬の気温管理は、栃木ではアパートの断熱が悪く、エアコンで19℃に設定して24時間つけっぱなし、それでも真冬の朝に最低気温が12℃くらいになることもありました。以前は室内を石油ストーブで暖め、室内温室はガラス戸を閉め、中を専用の電気ヒータで加温し送風もしていました。しかし、電気代がエアコンより嵩み、また狭い空間のせいか生育が今一よくなかったので、室内と一緒にランも室内温室のガラス戸を外しエアコンで暖めることにしました。

 盛岡では暖房用に灯油ボイラーを11月初旬からつけっぱなし、最低気温は14℃位を維持を目標にしてきました(灯油価格高騰はツライ)。


 
光の管理としては、外にランを吊した時から部屋に取り込むまでの4ヵ月は、50%遮光の黒色の寒冷紗(これもホームセンターで販売のもの)を掛けてきました。なお栃木では、最近の夏はとても暑くなるので(最高気温が35℃を上回り、夜でも25℃以上ある)、旧オドントグロッサム類、プレウロタリスの仲間など暑さを嫌う種には7月上旬から8月一杯の期間だけさらに50%遮光の寒冷紗を被せ、やや薄暗い条件にしてきました。

 ブラサボラ類(Rhyncholaelia digbyanaなど)やデンドロのノビル系の交配種などは、栃木でも直射日光にさらしていました。少々乱暴ですが各ランが有する性質を考慮して葉焼けを起こさないギリギリまで太陽光によく当てるのがコツと思っています。 逆にいえばこの性質と光条件の解明が面白いと言えますね。


2)水やりと肥料
 ★カトレア類
 
バルブが充実し花の時期には、肥料はやらず水だけ、冬でもしっかり濡れるぐらい水をやる、そして数日間かけてしっかり乾かすの繰り返し。夏場の屋外に吊している状態では、天気任せ(栃木、盛岡ともに梅雨や秋の長雨で濡れっぱなし、秋口少々低温で気になるが大丈夫)で、時々雨が降らずにカラカラになった時だけしっかりやる。

 
肥料は芽が動き出したら冬場(室内)は、液肥ハイポネックス2,000倍液を水やり3回に一回の割で与える。屋外に出している時期は多くのカトレア株は芽、根を伸ばすが、外に出した時(5月下旬)に市販の骨粉と油かすの混ざった粒状の固形肥料(中粒サイズ)を置肥として鉢の号数にあわせて(3寸なら3粒)鉢の上に第1回目として与える。

 また7月上、中旬頃に取り替え第2回目として同量をやる。これらが基本ですが、秋や冬でも芽が伸びているときには、冬場はハイポネックス2,000倍液、夏の勢いよく伸びているときは置肥に加えて1,000倍液を与えています。水と肥料の極意として、これも少々乱暴ですが根が傷まないギリギリまでやれれば抜群に育つのではないかと思っています。


 ★オンシジューム(アダ、旧オドントグロッサム、ミルトニアの仲間を含む)類
 
これらは種類が多くて、水やりはなかなか難しいと感じています。
 
 薄葉系のものは、年中余り強く乾かさない(上記の最低気温以上の条件で)。そのため3寸以下の鉢はプラ鉢、駄温鉢にミズゴケで植え込みします。また素焼き鉢の3寸以下の小さいサイズ場合は、一回り大きいサイズの駄温鉢で二重にしても、生育がよいように思います。葉っぱが落ちたり、今一元気がない場合は植え替えて、当初は水やりを控えめにします。この辺りの勘が難しいですね。

 厚葉系(トリコセントラム、ゼレンコ等のランセアナム、パピリオ、スプレンディダム、ナヌム、ハリソニア、オナスタム、セボレタなど)は、花も葉や形・姿もよく好きなランですが、冬期の温度管理、夏場の水管理など栽培は難しいいなと感じています(かなり失敗し、再度トライするも返り討ちもしばしばです)。基本は素焼きにミズゴケですが、夏場も雨に当てず、年中乾かし気味に水を与えます(これが難しい)。特に冬は、はかなり控えめにし、春先に芽、根の動きがみえたら本格的に、濡らす、乾かすを繰り返します。肥料の置肥、液肥の与え方はカトレアと殆ど同じです。板やコルク付けがいいものもあるようですが、温室がないので鉢に植え細心の注意を払っています。

★その他
 ネット情報を参考にしたり、着生か地生か、葉っぱの厚さや形状、バルブの有無、大小などで、水や肥料を加減しています。特に冬温度を経費の点から高くできないので、基本的には水は少なめをベースに管理しています。これで順調な株もあれば弱る株も生じますが、腐ることは少ないと思っています。これもこの管理の仕方を見つけるのも楽しみ一つです。






                              
        
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